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ラテンベース入門ラテンベース入門「トゥンバオの訛りその2」

前回の記事ではトゥンバオを2拍3連との中間点で弾くアプローチについて書いてきましたが、今度は具体的な練習方法について書いていきたいと思います。

メトロノームで練習してみよう

"6/8 Afroと4/4拍子の中間で弾く…"
ということをする為にはまずはこれらの拍子を同時に感じられる必要がある訳です。

ということで、まずはこちらをできるようにしましょう。
クリックを下段の3/4拍子で鳴らします。
そして、これに合わせて上段のように一小節を2つで割ってクラップしてみましょう。
(実質2拍3連なのですが、そうではなくあくまで2つに割っていると感じるのがポイントですw)
記譜している拍子をそれぞれ統一して書くと上記のようになります。
こう書いてくと捉えやすいと思いますが、あくまで最初に紹介した譜面のように違う拍子が同時進行しているんだという感覚を身に着けたいところです。

更に上記ができるようになるとそれぞれの拍子を同時に捉える感覚が強くなると思います。
こちらも記譜している拍子をそれぞれ統一して書いてみました。
これでそれぞれの音符の鳴る位置を確認しつつ、違う拍子がそれぞれ同時進行で進む感覚を身に着けましょう。

2拍3連と2-3クラーベ

ということで、今度はクラーベにあてはめて3連系のリズムをクラップできるようにしていきましょう。
まずは上記のように1拍3連符を刻みながらクラーベを刻めるようにしてみましょう。
例えば…
右手で3連符、左手でクラーベ
右手でクラーベ、左で3連符
としながらやってみましょう。
お次は2拍3連を刻みながら、クラーベを刻めるようにする練習。
これができると6/8拍子と4/4拍子を同時に感じる感覚がだいぶわかってくると思います。
そして、今度は裏の2拍3連とクラーベ。
2拍3連ができていればわりとすんなりできるはずです。
クラーベとの位置関係を考えてからやればわりとすんなりできると思います。
そして、4拍3連とクラーベ。
クラーベとの位置関係が把握しやすいように1拍3連で表記したものも併記しておきます。
4拍3連は6/8拍子でのベースの刻みと同じなのでこれが把握できればかなり6/8拍子と4/4拍子が並走している感覚が掴めたはずです。

という感じで、クラーベと3連系の音符を一緒に刻む練習を紹介してきました。
ここでは2-3ソンクラーべで全て紹介しましたが、
3-2ソンクラーべ、2-3ルンバクラーベ、3-2ルンバクラーベでも同様にできるようにしてみましょう!

この手の練習方法をひたすらに紹介しているのが下記の教則本。
「The John Benítez Bass Method, Vol. 1: Freedom In The Clave: A Rhythmic Approach To Bass Playing」
Kindle版だと書籍の1/3くらいのお値段とお安いのでおすすめです。

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実際のトゥンバオで練習してみる

前回の記事で紹介した上記のトゥンバオ。
これらの中間点を弾くということで今までの練習をしてきたわけですね。
まずはクリック or クラーベにあわせてこの2つを交互に弾いてみましょう。

慣れてきたらこれを混ぜて中間点で弾くアプローチを練習してみましょう。
この時にポイントとなるのがそれぞれの4拍目の音です。
次の小節の音をシンコペーションするここは必ずイーブンの4拍目頭と一致させます。
ということで、クリックを4拍目だけ鳴らしてこの練習をしてましょう。

これができてくると訛りをコントロールしつつ、テンポもキープできた安定しつつドライブさせたトゥンバを弾けるようになってくると思います。
ぜひチャレンジしてみてください!
ABEMA

ラテンベース入門 クラーベを反転させる

クラーベの向きは曲が一度スタートしたら途中で変わることはありません。
でも、ラテン音楽を聴いていると「途中でクラーベの向きが逆になる!」というのを耳にすることがあると思います。
これは
奇数小節のフレーズを入れてクラーべを反転させています。

具体的には…
全てが偶数小節でできている曲を2-3クラーベではじめたら、
最後まで2-3クラーベのままです。
でも、曲の途中に奇数小節でのフレーズがあったらその次の小節からは3サイドが先に聞こえてそこからは3-2クラーベに変わるというわけです。

ちょっとこう文字で書いていてもわかりにくいので、
実際の曲で例示していきます。


ラテン・ジャズのスタンダード
みんな大好き「Maria Cervantes」です。

この曲はテーマ部分は3-2なのですが、モントゥーノというかソロの部分の手前で奇数小節をはさんで2-3クラーベになっています。

まず、イントロテーマとだーっとありますので
2:33位から聴いてみて下さい。
3-2クラーベが鳴っているのがわかると思います。
2:47の部分に1小節のキメがありここが奇数小節になっています。
2:49〜のモントゥーノに入ると2-3クラーベになります。
4:57〜ソロが終わりヴィブラフォンでトゥンバオを弾いて。
5:05〜でキメからの1小節ブレイクして奇数小節をはさむ。
5:07〜再び3-2クラーベになって後テーマを弾く
というような流れになっています。

このような感じでテーマが3-2クラーベで奇数小節を挟んで、
モントゥーノは2-3クラーベという手法は頻繁に用いられます。
クラーベについて記載した記事でも書きましたが、
3-2クラーベは落ち着いたフィール、2-3クラーベは前に進むようなフィールがありますのでモントゥーノでガツンと盛り上げようというような時にはもってこいなアレンジな訳です。
譜面を確認するとわかりやすいとは思うものの、
面倒だったのでMaria Cervantesについては譜面は省略。
「Maria Cervantes」「Sheet」とかで画像検索したら死ぬほど違法アップロード譜面が出てくると思いますのでそれで確認を…
Latin Real Bookを買ってそこに掲載されている譜面を確認してみましょう。

The Latin Real Book – C Edition

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もう1曲。
今度は譜面を眺めながらクラーベを叩いて確認してみましょう。
"Bilongo"というSonの定番曲です。
色々なアレンジがあるのですがこの動画のバージョンはかなり頻繁にクラーベが逆さになっています。

この曲のCoro-Cantaのところまで簡単なコード譜をあげてみましたので、これを追いかけながら確認してみましょう。
さっきのMaria Cervantesと違ってクラベスがなっていないのでわかりにくいかしら…?
まず3-2クラーベで曲がスタートします。
イントロの終わりに1小節奇数小節を入れてクラーベが反転。
歌が入ったAセクションからは2-3クラーベでスタート。
管楽器のリフ後に最後1小節のブレイクが入りここが奇数小節となりクラーベが反転。
0:40〜 Bセクションは3-2クラーベでスタート。
Bセクションが7小節と奇数小節で構成されているので再びクラーベが反転。
0:49〜 Cセクションは2-3クラーベでスタート。
1:13〜 Cセクションの終わりでブレイクが入ってここで奇数小節が入ってクラーベが反転。
1:14〜 Dセクションは3-2クラーベでスタート。
このセクションも7小節と奇数小節で構成されているのでクラーベが反転。
1:23〜 Coro-Cantaが2-3でスタート。

というように、目まぐるしく毎セクション奇数小節を入れ込みクラーベが反転しています。
とはいえ、曲の始まりからクラーベを止まらずそのまま進ませていけばずれたりはしないわけです。
前述した通り、クラーベは曲がスタートしたら決して止まらず刻まれ続けます。
2サイドが2回連続するとか、3サイドが2回連続するみたいなことはありません。
そこで、このように曲のアレンジ上で奇数小節を挟んでクラーベを逆転させるという手法を用いるわけです。
これを演奏前に確認しておくとちょっと安心して演奏できますね。



ただ、こう書いておいてなんなのですが…
このルールに則っておらず奇数小節を挟んだわけでもないのに、突然クラーベが逆転しているという例外的な手法を使っている曲も案外存在します…
曲のメロディーなどなどの都合でその方がよい場合もあるので、
そういうった場合には例外的な手法で用いることもあるようです。
クラーベディレクションにこだわるあまりに、曲の価値を損なわせてしまうようでは本末転倒ですからね〜。
まあ、そういう曲に遭遇することも時にはあるかもしれません。

ただ、クラーベを間違ったサイドで演奏することはやっぱりダメです。
ABEMA