ラテンベース入門「Clave Neutralの全パターンまとめ」

前回までに紹介したClave Neutralの4パターン×4バリエーションをここでまとめて見たいと思います。

4パターン
Tresillo(トレシージョ)
Habanera(ハバネラ)
Guaracha(ワラチャ)
Bolero(ボレロ)

4バリエーション
Unanticipated-Single-Ponche
Unanticipated-Double-Ponche
Anticipated-Single-Ponche
Anticipated-Double-Ponche

このそれぞれのバージョン合計16種類となるわけです。

Tresillo(トレシージョ)

Unanticipated-Single-Ponche
Tresillo(USP)
Unanticipated-Double-Ponche
Tresillo(UDP)
Anticipated-Single-Ponche
Tresillo(ASP)
Anticipated-Double-Ponche
Tresillo(ADP)

Habanera(ハバネラ)

Unanticipated-Single-Ponche
Habanera(USP)
Unanticipated-Double-Ponche
Habanera(UDP)
Anticipated-Single-Ponche
Habanera(ASP)
Anticipated-Double-Ponche
Habanera(ADP)

Guaracha(ワラチャ)

Unanticipated-Single-Ponche
Guaracha(USP)
Unanticipated-Double-Ponche
Guaracha(UDP)
Anticipated-Single-Ponche
Guaracha(ASP)
Anticipated-Double-Ponche
Guaracha(ADP)

Bolero(ボレロ)

Unanticipated-Single-Ponche
Bolero(USP)
Unanticipated-Double-Ponche
Bolero(UDP)
Anticipated-Single-Ponche
Bolero(ASP)
Anticipated-Double-Ponche
Bolero(ADP)

Clave Neutralのまとめ表

表でまとめてみました。
とりあえず、4拍目は必ず演奏しているわけですね。
それぞれの違いをこれで確認してみましょう。
クラーベの向きに関わらず使用できるClave Neutralのフレーズはここまで一通り紹介してきました。
残りのClaveの向きに沿ったトゥンバオのフレージング、 「Clave-Aligned」はClave Neutralよりもファンキーでリズミカルなフレージングが多くあります。
SalsaやCharanga、Sonなどでも時折見られますが、TimbaやSongoなどの現代のキューバ音楽のスタイルではとても頻繁に用いられます。

しかし、これらのトゥンバオをClave Neutralのように簡単にまとめることが困難です…!
それぞれの曲のアレンジやアンサンブルに沿ってできあがっているものも多くこれとまとめることが難しいです。
とういことで、ケースごとに沿って少しずつ紹介していければと思います。
ABEMA

ラテンベース 入門「クラーベに左右されないTumbao〜Clave Neutral その4 ADP〜Anticipated Double-Ponche」

4パターン×4バリエーション=合計16種類のトゥンバオ。 
いよいよ最後のバリエーション
「Anticipated-Double-Ponche」
について書いていきます。  

Anticipated-Double-Ponche(ADP)

「Anticipated-Doube-Ponche」(または「ADP」)
は前回の記事で紹介した
「Anticipated-Single-Ponche」の4拍目を2音に変化させたものになります。
もしくは、Unanticipated-Double-Poncheの4拍目をタイさせたものとも言えます。
このADPは、4拍目の2音がコンガのトゥンバオのパターンにと完全に一致するので最もフィットしていると言えます。 
そんなこともあり非常に使い勝手が良いバリエーションです。

Tresillo(ADP)

Tresillo(ADP)のパターンは中心的なパターンに用いても、バリエーションとして用いても非常に耳馴染みがよいパターンです。
実際のコード上で演奏すると下記のようなトゥンバオになります。 
下記の音源などでこのパターンを用いたトゥンバオが聴けます。
“El Paso de mulo” Orquesta Havana Riverside 1:43〜
“Hachero Pa’ un Palo” Sonora Ponceña 3:10〜
“De Noche” Fajardo y Sus Estrellas 2:13〜

Habanera(ADP)

Habanera(ADP)のパターンも中心的なパターンとしても、バリエーションとしてもよく用いられます。
実際のコード上で演奏すると下記のようなトゥンバオになります。 
下記の音源などでこのパターンを用いたトゥンバオが聴けます。
”No Me Llores Más” Arsenio Rodríguez 1:49〜
“Suena Tu Bongó” Sonora Ponceña 3:15〜
“Llego Mijan” Tito Puente 2:00〜
”Mi tonada” José Fajardo 1:39〜
“Driven to Tears” The Police

Guaracha(ADP)

Guaracha(ADP)のパターンは、実際のコード上で演奏すると下記のようなトゥンバオになります。 
Guacacha(ADP)のパターンはアレンジの最後の場面で弾かれたり、ソロで弾かれたりすることが多いです。
つまり盛り上げどころで弾くケースが多いです。
ピアノとユニゾンでこれを弾くと更にエネルギーのあるパターンとなり一部のミュージシャンはこのパターンを"Montado"と称します。
また、1950年代のチャランガで使用される下記のようなパターンもMontadoと呼ばれることもあります。
下記の音源などでこのパターン=Guaracha(ADP)を用いたトゥンバオが聴けます。
“Voy Pa’ Pinar Del Rio” Tito Gomez y Orquesta Riverside 2:16〜
“Suena Tu Bongó” Sonora Ponceña 2:45〜
”Fajardo Esta de Bala” Fajardo y Sus Estrellas 1:48〜

Bolero(ADP)

実際のコード上で演奏すると下記のようなトゥンバオになります。 
Bolero(ADP)のパターンは、Bolero(UDP)のパターンと同じくなのですが、これが弾かれているパターンはなぜかあまりありません…
Bolero(UDP)は繰り返して弾いていると少し慌ただしいフィールがありますが、このBolero(ADP)はファンキーで自然なフィールに聞こえます。
少し挑戦的な音使いとはなりますが選択肢に入れておいても良いと思います。
下記の音源などでこのパターンを用いたトゥンバオが聴けます。
“Los Sitios Acere” Arsenio Rodriguez 2:52〜
“Guao” Perez Prado 2:00〜

ということで、ここまでで
4パターン×4バリエーション=合計16種類のトゥンバオ。
全てを解説してきました。

Tresillo(トレシージョ) 
Habanera(ハバネラ) 
Guracha(ワラチャ)
Bolero(ボレロ)    
の4パターン

Unanticipated-Single-Ponche
Unanticipated-Double-Ponche
Anticipated-Single-Ponche
Anticipated-Double-Ponche
の4バリエーション

次の記事で一覧でまとめてたものを記載しようと思います。
ABEMA

2021/1/25 “Latin Jazz Live”赤阪G’s Bar

2021/1/25
赤坂G's Bar
城戸英行(Bass)
青木知生(Sax)
渚まいこ(Piano)
藤橋万記(Percussion)
何度やってみても今回の時短要請のスケジュールでのライブは妙な感覚になってしまいますねー
いつもならお店に入るような時間に既にお客さんがいらして、これからライブだぞって時間にはもう閉店ですからね〜
時差ボケになりそうですw

今回はあまり一緒にやることのない組み合わせのメンバーでのライブとなりました。
いやー、楽しくやらせてもらいました。
なんか上手いことみんなの息があったような雰囲気でよい感じでした。
みんな辛党なのもよいですね〜
自粛期間あけたらみんなで辛いもの食べに行こうということになりましたwww
とりあえず、四川料理かな〜

マスターからの評判も非常によくwww
次のライブもすぐに決まりました〜
次回は4/29(木祝)です!
ぜひともご予定いただければと思います。
ABEMA

2021/1/19 帰ってきた”Caribbean Music Night”無観客配信ライブ

なんと2年ぶりでした!
このメンバーでのライブ。
御覧頂いた皆様ありがとうございました!!
温かいコメントなども頂いたお蔭で実際にライブをしている感覚で演奏できました。

それが今回、無観客の配信ライブということで実現しました。
去年の11月末から企画していたこの配信ライブ。
まさか緊急事態宣言の真っ只中になってしまうとは…
というところですが、久しぶりにできてとても楽しかったです。
0:21〜 予告編
58:38〜 本編スタート となっております〜!
アーカイブがご覧いただけますのでぜひ御覧下さい!

お時間ない方のために曲ごとの時間も書いておきましょう。
0:21〜 予告編 
58:38〜 本編スタート
59:04 〜 I Love Panyard♡
1:10:08 〜 Vale Da Ribeira
1:19:39 〜 Doralice
1:30:05 〜 Habana Viera
1:39:12 〜1931
1:48:20 〜Yamanote
1:59:29 〜500 Miles High
2:12:16 〜My Favorite Things 

そして、大事な投げ銭はこちらから!
https://makiconga119.peatix.com/ 
1/25(月)まで受け付けておりますので、是非ご協力頂ければと思います〜
メンバーのオリジナルとよく演奏していた曲を中心にやってみたのですが…
やっぱりいいですね〜
小針ちゃんのキャッチーなスティールパン
みっちゃんの血の気の多いピアノ(本人談ですw)
まきちゃんの気遣い抜群なアンサンブル力で
気持ちよく演奏させてもらいました。

アーカイブ自分も観てみましたけど楽しそうでよいですねwww
そして、上尾プラスイレヴンの音響&配信技術は本当に素晴らしい!
マスター達に会うのも2年ぶりでしたが楽しかったな〜
また上尾プラスイレヴンで、このメンバーでのライブも早めに再開できたらなーと思っています!!
ABEMA

2021/1/17 “キドカレーVol.2” 新宿5丁目Con Ton Ton

キドカレーVol.2でございました。
またもCon Ton Tonの日曜グルメ企画に参加させてもらいました。
今回もたくさんの方にお越し頂き感動です〜
久しぶりにお会いした方も多くて良い会となりました。

初回はキーマカレー、2回めは麻婆豆腐を作ったのですが、今回は再びカレーに。
新年の干支にちなみまして、インド人禁断の牛のカレーにしようかなーということで…
「牛すじ大根カレー」にチャレンジ。
流行りの出汁カレー系な感じになりました〜
割と辛めだったみたいですが、やっぱり牛は辛めが美味しいと思うんですよね〜
牛すじ大根単体でもサンバル的な感じで提供。
(あっという間になくなっちゃったのですが…)
同じ具材のを2品出すという狂気ですが、意外とありな気がします。
アチャールは春菊にしましたよ。

具材的には完全に和食ですが、スパイシーで美味しくできたのでは?と思います。
カッサーノママが焼いてきてくれたチャパティもとても美味しかったですね〜

次回がいつになるか、どこでやるかもわかりませんが引き続きカレーイベントを今年も続けていければと思います!!
最後にSNSで見かけたキドカレー写真を晒させていただきます。
ABEMA

2021/1/14 「ラテンジャズライブ」四谷三丁目Live Unten45

2021/1/14
@四谷三丁目Live Unten45
城戸英行(Bass)
斎藤千穂(Violin)
飯島瑠衣(Piano)
櫛田満(Percussion)

ほぼメンバーでwww 小林慎(Percussion)
四谷三丁目Live Unten45にてライブでした。
なんだかんだと年明け一発目のライブとなりました。
年末も本番なくなったりしていたので、結構久しぶりな感じで。
緊急事態宣言に伴う時短要請に従ったスケジュールとなりまして、
18:30スタートで、19:45には終演、20:00閉店という何とも大変な…
普段ならお客様が集まる頃にはライブが終了ですからね
この状況下でお集まりいたただいた皆さんには感謝しかありません!!

とりあえず、結果とても楽しくやらせてもらいました〜。
やっぱり人と一緒にやるのは楽しいですねー
やっぱりラテンはいいですね〜
ABEMA

ラテンベース 入門「クラーベに左右されないTumbao〜Clave Neutral その3 ASP〜Anticipated Single-Ponche」

4パターン×4バリエーション=合計16種類のトゥンバオ。
この中で4パターン
Tresillo(トレシージョ)
Habanera(ハバネラ)
Guracha(ワラチャ)
Bolero(ボレロ)
 
 そして、バリエーションのうちの2つ。
 Unanticipated-Single-Ponche
 Unanticipated-Double-Ponche
 を紹介してきました。
 基本形の「Unanticipated-Single-PoncheのPonche」の部分を変化させたのが
「Unanticipated-Double-Ponche」
 というわけですが、
 
 今回は、前半部分の”Unanticipated”→”Anticipated”
 と変化させたバリエーション
Anticipated-Single-Ponche
 について解説していきます。 

Anticipated-Single-Ponche

 「Anticipated-Single-Ponch」または「ASP」はUSPの4拍目の音が次の小節の1拍目にタイしています。
 このように最後の4拍目の音にタイをでつなげているバリエーションをAnticipatedと称します。
 ハーモニックでリズミカルなアンチシペーション(Anticipation,先行音)は、Afro−Cuban音楽の重要な特徴です。
ベースのトゥンバオでのAnticipatedは、他の音楽のベースラインとラテン音楽のベースラインの最もわかりやすい違いであると思います。 

Tresillo(ASP)

「Tresillo ASP」は、サルサやキューバ音楽において最も有名なベースラインです。
このリズムを使用して、数えきれない程のトゥンバオが作成されました。
このリズムは多くの人がアフロキューバンベースの演奏の基礎と考えています。
実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。
下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。
Ray Barretto “Indestrucitible” 1:49〜
Tipica 73 “La mujer dominicana” 0:59〜
Arsenio Rodríguez Y Su Conjunto “Linda Cubana”

Habanera(ASP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。  
下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。
Arsenio Rodriguez “La que dice usted”
Orquesta Chepin Choven “Linda Reina” 2:28〜
Oscar D’León “Mi Bajo y Yo” 2:16〜

Guaracha(ASP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。

下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。
Chepin Choven “Palma” 2:18〜
Orquesta Chepin Chopven “Traqueteala”

Bolero(ASP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。 
 下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。
Tito Puente “Ran Kan Kan” 0:12〜
Jose Fajardo “Almendra” 2:58〜
Bennny More”Pongan Atencion”
Charang Habanera “Pa’lo que Me Importa”0:32〜
「Anticipated」のバリエーション1つ目の「Anticipated-Single-Ponche(ASP)」ついて書いていきました。
残す一つのバリエーション「Anticipated-Double-Ponche(ADP)」については次回の記事で解説していきます。
ABEMA