ラテンベース入門 その10 サルサの曲構成


少しベースの話から離れてサルサの楽曲構成について書いていきたいと思います。
僕自身、ジャズなどのフォームに慣れて演奏していたので始めた当初はラテンの楽曲の構成に戸惑うことばかりでした。
ラテン・ジャズなどを演奏する上でもこれを知っておくと展開が理解しやすいと思います。
テーマ
普通のポピュラー音楽の構成は、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビなどの組み合わせでできていますね。
ジャズなどでいうところのテーマがAメロBメロサビ/洋楽でいうところのヴァース/コーラスとか。
サルサの曲構成もイントロ〜そこまではあまり普通のポップスと変わりません。
とりあえず、ここでは前半部分をテーマとしておきます。
サルサのもとになった少し古い形式のジャンルであるソン(Son) ではここまでのことをギアと呼びます。
テーマが終わった後半からの展開がラテン特有のものとなります。

モントゥーノとトゥンバオ

テーマが終わった後からがいよいよラテン特有の展開となっていきます。 
4〜8小節程度のコード進行で繰り返しのセクションで盛り上がって行く部分です。
この繰り返しのセクションを
”モントゥーノ(Montuno)”
と呼びます。
モントゥーノという言葉を
「ラテン音楽ピアノのパターン」
と認識されていることが多いかと思いますが、
本来モントゥーノとは曲のセクションの名前です。
このピアノのパターントゥンバオ(Tumbao)といいます。 
以前の記事でも書きましたが、トゥンバオとはピアノ、ベース、コンガによって繰り返し演奏されるリズムパターンのことをいいます。

コロ–カンタ(Coro–Canta)

普通はモントゥーノセクションに入ると、
まずコーラスとボーカルの掛け合い(コール&レスポンス)がスタートします。

このコーラスのことをコロ (Coro)、ボーカルの掛け合いのことをカンタ(Cantata)といい、モントゥーノセクションの中でもこの部分をコローカンタ (Coro-Canta)と称します。
このコロ–カンタのセクションが曲の中で最高に盛り上がる場面となります。

シンプルなコード進行によることがほとんどで、基本的に繰り返し回数は決まっておらず、次の展開に進むまでコーラスと掛け合いながらボーカルは即興で歌い続けます。
この即興の部分をソネオ(Soneo)といい、即興でかっちょよく歌える歌手のことをソネーロ(Sonero)と呼びます。

ここでコーラスと掛け合うのがボーカルではなく管楽器などによるソロの場合はCoro-Solo(コロ-ソロ)といいます。

Mambo(マンボ)

コロ-カンタの後にくる管楽器のリフのセクションをマンボ(Mambo)と呼びます。
(リズムやジャンルで“マンボ(Mambo)“という同じ呼び名のものがあるのですがそれとは別のものです
Mamboはコロ–カンタ部分とコード進行が変化したり、リズムセクションに仕掛けをつけたりすることもあります。

コロ-カンタ2回目

通常はマンボの後にもう一度コロ-カンタが入ります。

エンディング

そして、エンディングでおしまい。
これは曲によって様々です。


以上をまとめて、基本的なよくある構成としては

 前半【イントロ】~【テーマ】

後半【モントゥーノ】
【コロ-カンタ】–【マンボ】–【コロ–カンタ】–【エンディング】

このようにマンボの後はもう一度コロ-カンタに戻ってからエンディングですが、
エンディングにいかず、もう一度マンボ、コロ-カンタを繰り返すこともよくあります。
ピアノや管楽器、打楽器など楽器によるソロがある場合は、コロ-カンタとマンボの間に入ることが多いです。
ただあくまでもよくある基本的な構成ですので、全ての曲がこれに当てはまるというわけではないです。

では、実際の曲でこの構成を確認してみましょう。
 まずテーマです。 
1:47〜のブリッジを挟んでからモントゥーノへ行きます。 
 モントゥーノ(Montuno)です。 
1:58〜管楽器の間奏を挟んで、2:07からがコロ-カンタ(Coro–Canta)
 2:56〜 マンボ(Mambo)になります。
 3:18〜 2回目のコロ-カンタ(Coro-Canta)。 
この曲だと1回目とちょっと違うメロディのコロになっています。 
 3:53〜 エンディング

もう1曲みてみましょう。

 まずイントロからのテーマです。
 1:23〜モントゥーノ(Montuno)です。
まずコロ-カンタ(Coro-Canta)があって、
その後キューがあって、短いキメをやって
2:01〜Conga Soloです。
僕は最初知らずに本番でがっつりと大失敗をした覚えがあるのですが…。
ジャズの4バース的なのとは違い、ドラムやパーカションソロの時にピアノやベース、他のパーカッションもソロの時に休んだりしません。
トゥンバオし続けて下さい。
ソロの後半では盛り上げる為に別のコロ(Coro)をつけてます。
この手のはその場で付けたりとかもよくします。
3:12〜  コンガソロが終わりマンボ(Mambo)になります。
3:30〜マンボ(Mambo)が終わったら、コロ-ソロ(Coro-Solo)でコーラスとトランペットの掛け合いがあります。
4:08〜から2回目のコロ-カンタ(Coro-Canta)
 4:36〜 エンディング

その他に出てこなかったものとして、以下のものもモントゥーノセクションででてくるやつです。

Mona(モニャ)

2回目以降のコロ-カンタの後に登場する管楽器のリフをMoña(モニャ)と称します。
モニャは1曲の中に複数現れることも珍しくないですし、即興で演奏したりします。
こちらは2小節ないし4小節単位のフレーズを繰り返して、
多くはマンボに比べて、ハーモニーや構成がシンプルでコード進行もコロ-カンタのものをそのまま用います。
このセクションは曲によってあったり、なかったりですがその場のノリで追加されたり、削られたりということもしばしあります。

マンボとモニャの違いについては僕はこんな認識だったのですが、
確証のある出典が確認できなかったのでなんとなくな感じで…。
最近、会う人みんなに「マンボとモニャってどう違うの?」
と聞いてみていたのですがみんな答えが違いましたwww
正解だれか教えて下さい…。

Bomba Cubano(ボンバ・クバーノ)

このセクションも曲によってあったり、なかったりその場のノリで追加されたり、削られたりという感じです。
どんな感じかっていうと、4:10〜4:30あたりのやつです。

このBomba Cubanoでのベースの奏法についてはまた記事にしたいと思います。
ベースがかっこいいところです!
という感じで、サルサの基本的な曲構成について書いてみました。
モントゥーノ以降はほぼほぼ同じコード進行で、ずーっと同じこと弾いているなんてのもざらなのですが今どういうセクションにいるのかっていうのは常に意識しておきましょう。
他の音楽に比べるとかなり明確にわかりやすくキュー出しとかもします。
同じことやっているだけにどこだかわからなくなりロストしがちなのです…。
そして、結構その場の雰囲気でモントゥーノ以降の構成を変えたりということもしょっちゅうあるので、周りをよく聴き、注意して演奏しましょう〜。



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