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3/25(月) Latin Jazz Night@赤坂G’s Barでした

2019/3/25(月)
”Latin Jazz Night”
赤坂G's Bar
城戸英行(Bass) 
石毛杏子(Alto Sax)
飯島瑠衣(Piano)
加藤克樹(Drums)


赤坂G's BarでのLatin Jazz Nightでした。

今回は瑠衣ちゃんの持ち込み曲も色々やってアゲアゲ系の曲をたっぷり多目にお届けしました。
最近ラテンジャズ熱が復活してきているので、また機会作ってガシガシとやっていきたいと思います!

しかしまあ、石毛杏子ちゃんよいわねー
彼女とは来月にもご一緒する機会があります。
4/13(土)に下北沢Bar Bodeguitaでのライブ。
噂のラテンエプロン軍団Trio Cencerrosにきょうこりんとして参加してくれます。
こちらはかなり賑やかしい感じになりそうで楽しみです〜。
セットリスト
1st
1.Decision
2.When You Wish Upon a Star
3.Beautiful Love
4.Esta Tarde Vi Llover
5.Vera Cruz

2nd
1.Building Bridge
2.Moliendo Cafe
3.Airegin
4.Claudia
5.Yes or No
En.Sonando!



3/22 Tropicanduo@武蔵中原Coffee Spot lifeでした

2019/3/22(金)
“Tropincanduo Live”
武蔵中原Coffee Spot Life
Tropicanduo:
鹿島美和(Piano)
城戸英行(Bass)


ちょっと久しぶりのTropicanduoでした。
二人だけでやるのは去年の12月以来ですかねー。
ということで、互い様子見的にいつもよりラテンジャズのスタンダード多目に。
こんな間空いたことなかなかなかったので新鮮な気分で楽しくやらせてもらいました~

気がつけばこのデュオも5年もやっているみたいで。
最近はお互い活動が増えてきたのでライブ減ってきましたが。
最初は二人でラテンジャズの曲練習していこうみたいなスタンスでとにかくできる限り演奏やっていこうと思ってライブ沢山やっていってたので月に5〜6回とかやっていたり。

気がつけばレパートリーも結構増えましたね〜。
今後もどうなっていくのやら〜。
とりあえず、今年第一回目は無事終了〜。
次回以降のTropicanduoは

5/10(金)銀座月光荘 月のはなれ
6/28(金)武蔵中原Coffee Spot Life
と予定しています!
Set List
1st
1.El Bodeguero
2.A Child is Born
3.Scherezada
4.Como Fue
5.Maria Cervantes
2nd
1.Sabor A Mi
2.卒業写真
3.Ceora
4.First Song
5.Armando’s Rumba

En.Tequila



3/18 月のはなれBGM演奏

2019/3/18()
銀座 月光荘 月のはなれ


かねだまさこ(Piano)


城戸英行(Bass)
久しぶりにかねだまさこさんとのデュオで月のはなれで演奏でした。


ここでくらいしか非ラテンのピアノとデュオでやらないので楽しくやらせてもらいました〜。


Bill EvansやSteve Swallowの曲とかやったり、なぜかJazz Waltzが多かったのですが3拍子の曲はリズムが自由に動けて好き。




次回、月のはなれへの出演は5/10(金)に超久しぶりに鹿島美和(Pf)ちゃんとのTropicanduoで熱血BGM演奏ですw



ラテンベース入門「Cha-cha-cháのベース基本編」

ラテン音楽には様々なリズムスタイルがありますが、
Cha-cha-chá(チャチャチャ)もその一つです。

1950年代にヴァイオリニストのEnrique JorinによってDanzonをもとに作られたリズムです。

トゥンバオを掘り下げていく為には、他にも取り上げるべきリズムや解説は色々とあるかなと思ったのですが…
Cha-cha-cháは、比較的よく演奏される上にラテン音楽に不慣れな人でも取り組みやすいかなと思うので敢えて先に書いてきます。


リズム的な特徴

Cha-cha-cháはin 2(カットタイム)ではなく、数少ない4/4拍子、in 4のパルスで演奏するラテン音楽のスタイルです。 
テンポは通常100〜120 bpmくらいでMamboなどに比べるとゆったりとしたテンポで演奏されます。 
クラーベは2-3 Son Claveです。

in 4で演奏するのですが、そのバックグラウンドで同時に
in 2のリズムも感じながら演奏するのも大切です。
Mamboなどのトゥンバオでも同様ではあるのですが、特にCha-cha-cháはギロのグルーヴを感じながら演奏するのが大切です。
Cha-cha-cháでのパーカッションが一通り順に紹介されていてわかりやすかったのでこの動画を貼っておきます。
2:08辺りからパーカッションのパターンを紹介しています。 4:33辺りからはベースのパターンも紹介していますよ。
まあ、言ってしまえばこの動画よくみておけばこんなBlogなくてもCha-cha-cháのグルーヴはよく理解できると思うけどwww

Cha-cha-cháの有名曲とか

Orquesta AragonやJose Fajardo y sus Estrellas,Enrique Jorinなどの演奏を聴いてCha-cha-cháのサウンドに馴染んでみるのが良いと思います。

とだけ書いてもなかなかどうしたらというところかと思うので、参考になりそうな動画を貼っておきます。
「La Engañadora」Enrique Jorrin
Cha-cha-cháの第一号とされている曲です。
「El Bodeguero」Orquesta Aragon
Orquesta Aragon最大のヒット曲です。
個人的には、Cha-cha-cháはOrquesta Aragonの演奏を大変参考にしました。
「Oye Como Va」Tito Puente
ある意味一番有名なCha-cha-cháの曲かもしれません。
Santanaがカバーして超有名になったOye Como Vaです。
「Morning」Tito Puente
動画のタイトル付けが間違ってるのですがOye Como Vaではなく
「Morning」の動画ですwww
このテイクはなかなか発展的なCha-cha-cháのベースラインとなっています。
しかし、基本的なCha-cha-cháのグルーヴはしっかりと押さえていてカッコよいですね〜。

基本的なCha-cha-cháのベースライン

古典的なCha-cha-cháのベースのリズムとなります。
Cha-cha-chá  Ex1.
古いMamboなどと同系のリズムでシンプルなCha-cha-cháのベースラインです。
Cha-cha-chá Ex.3
典型的なCha-cha-cháのベースラインの一つです。
Cha-cha-chá Ex.3
Ex.2のバリエーションのベースラインです。
4拍目で8分を2つ刻み、コンガのパターンと一致させてアクセントを強調する感じです。
Cha-cha-chá Ex.4
Ex.4はバリエーションとして他のリズムと組み合わせて用いられることが多いです。

現代的なCha-cha-chá

前述のものよりも現代的なCha-cha-cháのベースラインです。
Cha-cha-chá Ex.5
2拍目の裏が3拍目とタイで繋がっています。
コードが2拍ごとで変わる場合コードチェンジを半拍先行して弾きます。
Cha-cha-chá Ex.6
Ex.6はEx.5のバリエーションです。
以前の記事 で紹介したトゥンバオと同型となりますが、
Cha-cha-cháでもよくこのラインが用いられます。
Cha-cha-chá Ex.7
Cha-cha-chá Ex.8
Ex.7とEx.8はEx.5〜6と同じなのですが、4拍目の裏をシンコペーションして次の小節の1拍目にタイで繋がっています。
一般的にこれは2小節のグルーヴとして演奏するので、
Ex.7とEx.8でいうリピートしての2小節目から3小節目にかけてはシンコペーションせずに演奏します。
譜例では1小節目の4拍目の表から次の小節のコードを先行して弾いていますが、下記のように4拍目の表はC7のコードの中で音を弾き4拍目の裏でコードを先行するという形でも問題ありません。
より複雑なラテンジャズ風なCha-cha-cháにしていこうという場合のものは次の記事に書いていこうかと思います。
様々なバリエーションが考えられますが、ベーシックなCha-cha-cháのグルーヴを見失わないように演奏していきましょう〜。



ABEMA

ラテンベース入門 クラーベを反転させる

クラーベの向きは曲が一度スタートしたら途中で変わることはありません。
でも、ラテン音楽を聴いていると「途中でクラーベの向きが逆になる!」というのを耳にすることがあると思います。
これは
奇数小節のフレーズを入れてクラーべを反転させています。

具体的には…
全てが偶数小節でできている曲を2-3クラーベではじめたら、
最後まで2-3クラーベのままです。
でも、曲の途中に奇数小節でのフレーズがあったらその次の小節からは3サイドが先に聞こえてそこからは3-2クラーベに変わるというわけです。

ちょっとこう文字で書いていてもわかりにくいので、
実際の曲で例示していきます。


ラテン・ジャズのスタンダード
みんな大好き「Maria Cervantes」です。

この曲はテーマ部分は3-2なのですが、モントゥーノというかソロの部分の手前で奇数小節をはさんで2-3クラーベになっています。

まず、イントロテーマとだーっとありますので
2:33位から聴いてみて下さい。
3-2クラーベが鳴っているのがわかると思います。
2:47の部分に1小節のキメがありここが奇数小節になっています。
2:49〜のモントゥーノに入ると2-3クラーベになります。
4:57〜ソロが終わりヴィブラフォンでトゥンバオを弾いて。
5:05〜でキメからの1小節ブレイクして奇数小節をはさむ。
5:07〜再び3-2クラーベになって後テーマを弾く
というような流れになっています。

このような感じでテーマが3-2クラーベで奇数小節を挟んで、
モントゥーノは2-3クラーベという手法は頻繁に用いられます。
クラーベについて記載した記事でも書きましたが、
3-2クラーベは落ち着いたフィール、2-3クラーベは前に進むようなフィールがありますのでモントゥーノでガツンと盛り上げようというような時にはもってこいなアレンジな訳です。
譜面を確認するとわかりやすいとは思うものの、
面倒だったのでMaria Cervantesについては譜面は省略。
「Maria Cervantes」「Sheet」とかで画像検索したら死ぬほど違法アップロード譜面が出てくると思いますのでそれで確認を…
Latin Real Bookを買ってそこに掲載されている譜面を確認してみましょう。

The Latin Real Book – C Edition

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Chuck Sher

発行Ama Verlag

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もう1曲。
今度は譜面を眺めながらクラーベを叩いて確認してみましょう。
"Bilongo"というSonの定番曲です。
色々なアレンジがあるのですがこの動画のバージョンはかなり頻繁にクラーベが逆さになっています。

この曲のCoro-Cantaのところまで簡単なコード譜をあげてみましたので、これを追いかけながら確認してみましょう。
さっきのMaria Cervantesと違ってクラベスがなっていないのでわかりにくいかしら…?
まず3-2クラーベで曲がスタートします。
イントロの終わりに1小節奇数小節を入れてクラーベが反転。
歌が入ったAセクションからは2-3クラーベでスタート。
管楽器のリフ後に最後1小節のブレイクが入りここが奇数小節となりクラーベが反転。
0:40〜 Bセクションは3-2クラーベでスタート。
Bセクションが7小節と奇数小節で構成されているので再びクラーベが反転。
0:49〜 Cセクションは2-3クラーベでスタート。
1:13〜 Cセクションの終わりでブレイクが入ってここで奇数小節が入ってクラーベが反転。
1:14〜 Dセクションは3-2クラーベでスタート。
このセクションも7小節と奇数小節で構成されているのでクラーベが反転。
1:23〜 Coro-Cantaが2-3でスタート。

というように、目まぐるしく毎セクション奇数小節を入れ込みクラーベが反転しています。
とはいえ、曲の始まりからクラーベを止まらずそのまま進ませていけばずれたりはしないわけです。
前述した通り、クラーベは曲がスタートしたら決して止まらず刻まれ続けます。
2サイドが2回連続するとか、3サイドが2回連続するみたいなことはありません。
そこで、このように曲のアレンジ上で奇数小節を挟んでクラーベを逆転させるという手法を用いるわけです。
これを演奏前に確認しておくとちょっと安心して演奏できますね。



ただ、こう書いておいてなんなのですが…
このルールに則っておらず奇数小節を挟んだわけでもないのに、突然クラーベが逆転しているという例外的な手法を使っている曲も案外存在します…
曲のメロディーなどなどの都合でその方がよい場合もあるので、
そういうった場合には例外的な手法で用いることもあるようです。
クラーベディレクションにこだわるあまりに、曲の価値を損なわせてしまうようでは本末転倒ですからね〜。
まあ、そういう曲に遭遇することも時にはあるかもしれません。

ただ、クラーベを間違ったサイドで演奏することはやっぱりダメです。
ABEMA

2019年4月のライブスケジュール

4/4()
Música Brasileira ao vivo em Abril

【場所】四谷三丁目Live Unten45
【時間】Open 19:00/Start 19:30(2Stage/入替えなし)
【料金】Music Charge2,500円+オーダー
【出演】
小針彩菜(Steel Pan)
山崎陽子(Piano)
城戸英行(Bass)
RINDA(Percussion)

ちょっと久しぶりに四谷三丁目Live Unten45へ出演させてもらいます。
山崎陽子さん(Piano)とRINDA☆(Per)というブラジル音楽愛溢れる素敵なお二人。
それから、魅惑の音色スティールパンの小針彩菜ちゃん。
そして、僕のカルテットでサンバ、ボサノヴァなどなどお届けしたいと思っています。
今からぜひともご予定頂ければと思います〜!

4/13()
Trio Cencerros with きょうこりん&たかりん
~ラテンエプロン軍団再び~」

【場所】下北沢Bar Bodeguita
【時間】Open 18:00/Start 20:00
【料金】Music Charge 2,500円
【出演】
Trio Cencerros :
Yokorin(Vocal)
みわりん(Piano)
きどりん(Bass)
Guest:
きょうこりん/石毛杏子(Sax&Flute)
たかりん/中里たかし(Percussion)

噂のラテンエプロン軍団が再び下北沢に…
今回は初参加のきょうこりん。
もはや常連3度目のCencerrosたかりんをゲストに迎えて賑やかにお届けします
Yokorinが今回はマジメにやるって言ってましたがあんまりあてになりませんね。

4/20()
「合唱団白樺第63回定期演奏会 ~ロシアの自然をたたえる~」

【場所】新宿文化センター大ホール
【時間】開場13:15/開演14:00
【料金】全席指定 A席3 ,000円 B席2,000円 C席1,500円
【出演】
指揮 田邉賀一
客演指揮 及川貢
ピアノ 石川眞澄
賛助出演:北川記念ロシア民族楽器オーケストラ(指揮:北川翔)
合唱と踊り 合唱団白樺
詳細はこちら合唱団白樺のHPよりご確認下さい

4/26()
Jazz&Blues Session Night

【場所】越谷Mojo:Moja
【時間】Open 18:30/Start 19:00
【料金】Music Charge:1,000円+(2drink別1,000円)
【ホストメンバー】
宇佐美ワタル(Guitar)
小俣貴司(Sax)
伊藤亮(Trumpet)
城戸英行(Bass)
Kazoo大越(Drums)

※参加型のセッションです。

4/28()
Takashi Nakazato Presents Latin Jazz Jam Night Vol.1

【場所】下北沢Bar Bodeguita
【時間】Open 18:00/Start 1st 19:00/2nd 20:30
【料金】Music Charge 2,000円
セッションホスト
中里たかし(Percussion)
島田直道 (Trombone)
すずきあゆみ(Piano)
城戸英行(Bass)

3/10(日) カリビアンミュージックナイトでした

2019/3/10()
"Caribbean Music Night"

上尾プラスイレブン

小針彩菜(Steel Pan)

山本光恵(Piano)

藤橋万記(Percussion)

城戸英行(Bass)
埼玉でのライブやセッションが続くのでその前に
「翔んで埼玉」を観に行きたかったのですが結局間に合わず。

上尾プラスイレブンでのライブでした。

今回も、
『スティールパンで聴きたい曲11選』”選曲おれ”

といようなライブで恐縮でしたが皆さんにも楽しんでもらえたと思います。

今日はみんなのアドリブもキレててよかったな〜。

特にみっちゃんがキレキレでした。

お客さんの雰囲気もあたたかくてプラスイレブンでのライブは本当に楽しいですね〜
さてさて、そんな感じでメンバーを固定して約1年間ライブをやっていましたがメンバーの諸事情で今回のライブを一区切りにして暫くこのメンバーでのライブはお休みとなります。

(喧嘩したとかではありませんwww)

少しずつサウンドが良くなっていくのがわかる楽しいアンサンブルでのバンド(といっていいでしょう)だったので、暫くは寂しくなりますね〜。

でも、ちょっとまだいつになるのかは何ともわかりませんがそのうち必ずまたやります〜!
今日のセットリスト

1st 

1.Madalena(Ivan Lins)

2.Doralice(Dorival Caymmi)

3.HavanaVieja(藤橋万記)

4.Contigo En La Dista(Cesar Portillo de la Luz)

5.500 Miles High(Chick Corea)



2nd

1.I Love Panyard(小針彩菜)

2.Pipoca(Hermeto Pascoal)

3.Casa Forte(Edu Lobo)

4.Esta Tarde Vi Llover(Armando Manzanero)

5.Yamanote(山本光恵)


En 
My Favorite Things(Richard Rodgers)



3/8(金) 越谷Mojo Mojaセッションでした

2019/3/8(金)
"Jazz&Blues Session"
越谷Mojo Moja
宇佐美ワタル(Guitar)
小俣貴司(Sax)
伊藤亮(Trumpet)
城戸英行(Bass)
渋谷賢一(Drums)


四半期ごとに開催だった越谷Mojo Mojaでのセッション。
なぜだか今年から月一な感じになりました。
今回もJazz StandardからFunk。
Deep Purpleに椎名林檎となんでもござれなセッションでした。

最近、地元の方がボチボチと参加してくれるようになっていい雰囲気になってきました。
ここではじめてセッションを経験してなんて方も多くて、
毎回少しずつセッションに慣れてきている感じも垣間見えたりでそういうのを見ていても楽しいものです。

次回以降も越谷Mojo Mojaでのセッションの予定決まっています。
4/26(金),5/24(金)となっていますのでご予定いただければとー!



ラテンベース入門 クラーベとコード進行

クラーベとコード進行について書いていきます。
クラーベの向きでコード進行も変わってきます。
というべきなのか、
コード進行によってクラーベの向きを変えますなのか。
鶏と卵的な話でどちらが先にくるのかはケースによるのでしょうがw

True Cuban BassやLatin Bass Bookにも記載があるのですが、
コード進行がクラーベを決定する要素にもなります。
トニック(Tonic)から始まるコード進行は2−3です。
モントゥーノでよくでてくるコード進行ですが
Ⅰ−Ⅳ−Ⅴ−Ⅳの場合は一般に2-3
となります。
これが違和感なく思えるのは、
解放感がある2サイドにトニック(Ⅰ△7)が配置され、
緊張感がある3サイドにドミナント(Ⅴ7)が配置されているからと思います。
3サイドの最後の音であるポンチェ(3サイドの4拍目)でもリズムとハーモニーの解決感が一致しています。

ドミナント(Dominant)から始まるコード進行は3−2です。
Ⅴ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅳのコード進行は、トニックから始まるものとは逆で一般に3–2になります。
これは2−3のときとは逆で
緊張感のある3サイドでまずドミナント(Ⅴ7)が置かれ
ポンチェ(3サイドの4拍目)にトニックがきてリズムの解決感とハーモニーの解決感が一致。
そして、解放感がある2サイドにトニックを配置いるためクラーベとコード進行が一致している感じがします。

と、ここまで書いてきましたがあくまでコード進行だけで判断するとこうだようという話でして実際はメロディーの動きでも判断してクラーベが逆になってたりというケースもあります。
あくまでこのコード進行だと一般的にはこうなるという話です。

ベーシスト的にはとりあえず、初見でクラーベの向きが謎な時などは最初はベーシックなトゥンバオを弾いておきましょうw
そして、メロディーの流れなどでクラーベが判別できてきたらバリエーションをつけていくようにしましょう。



ABEMA

ラテンベース入門 サルサの曲構成

少しベースの話から離れてサルサの楽曲構成について書いていきたいと思います。
僕自身、ジャズなどのフォームに慣れて演奏していたので始めた当初はラテンの楽曲の構成に戸惑うことばかりでした。
ラテン・ジャズなどを演奏する上でもこれを知っておくと展開が理解しやすいと思います。
テーマ
普通のポピュラー音楽の構成は、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビなどの組み合わせでできていますね。
ジャズなどでいうところのテーマがAメロBメロサビ/洋楽でいうところのヴァース/コーラスとか。
サルサの曲構成もイントロ〜そこまではあまり普通のポップスと変わりません。
とりあえず、ここでは前半部分をテーマとしておきます。
サルサのもとになった少し古い形式のジャンルであるソン(Son) ではここまでのことをギアと呼びます。
テーマが終わった後半からの展開がラテン特有のものとなります。



モントゥーノとトゥンバオ

テーマが終わった後からがいよいよラテン特有の展開となっていきます。 
4〜8小節程度のコード進行で繰り返しのセクションで盛り上がって行く部分です。
この繰り返しのセクションを
”モントゥーノ(Montuno)”
と呼びます。
モントゥーノという言葉を
「ラテン音楽ピアノのパターン」
と認識されていることが多いかと思います。
本来モントゥーノとは曲のセクションの名前です。
このピアノのパターントゥンバオ(Tumbao)といいます。 
以前の記事でも書きましたが、トゥンバオとはピアノ、ベース、コンガによって繰り返し演奏されるリズムパターンのことをいいます。

コロ–カンタ(Coro–Canta)

普通はモントゥーノセクションに入ると、
まずコーラスとボーカルの掛け合い(コール&レスポンス)がスタートします。

このコーラスのことをコロ (Coro)、ボーカルの掛け合いのことをカンタ(Cantata)といい、モントゥーノセクションの中でもこの部分をコローカンタ (Coro-Canta)と称します。
このコロ–カンタのセクションが曲の中で最高に盛り上がる場面となります。

シンプルなコード進行によることがほとんどで、基本的に繰り返し回数は決まっておらず、次の展開に進むまでコーラスと掛け合いながらボーカルは即興で歌い続けます。
この即興の部分をソネオ(Soneo)といい、即興でかっちょよく歌える歌手のことをソネーロ(Sonero)と呼びます。

ここでコーラスと掛け合うのがボーカルではなく管楽器などによるソロの場合はCoro-Solo(コロ-ソロ)といいます。

Mambo(マンボ)

コロ-カンタの後にくる管楽器のリフのセクションをマンボ(Mambo)と呼びます。
(リズムやジャンルで“マンボ(Mambo)“という同じ呼び名のものがあるのですがそれとは別のものです
Mamboはコロ–カンタ部分とコード進行が変化したり、リズムセクションに仕掛けをつけたりすることもあります。

コロ-カンタ2回目

通常はマンボの後にもう一度コロ-カンタが入ります。

エンディング

そして、エンディングでおしまい。
これは曲によって様々です。

以上をまとめて、基本的なよくある構成としては

 前半【イントロ】~【テーマ】

後半【モントゥーノ】
【コロ-カンタ】–【マンボ】–【コロ–カンタ】–【エンディング】

このようにマンボの後はもう一度コロ-カンタに戻ってからエンディングですが、
エンディングにいかず、もう一度マンボ、コロ-カンタを繰り返すこともよくあります。
ピアノや管楽器、打楽器など楽器によるソロがある場合は、コロ-カンタとマンボの間に入ることが多いです。
ただあくまでもよくある基本的な構成ですので、全ての曲がこれに当てはまるというわけではないです。

では、実際の曲でこの構成を確認してみましょう。
※元々貼っていた動画がいつの間にやら非公開になっていたので、
別の動画に差し替えそれに合わせ下記の内容も書き換えてます。
(2021/1/31)
 まずイントロ。  
 0:50〜
 テーマ
 2:05〜
モントゥーノ(Montuno) 
短いマンボ(Mambo)を挟んで
2:21〜
コロ-カンタ(Coro–Canta)
 3:34〜 
マンボ(Mambo)になります。
 3:50〜 
2回目のコロ-カンタ(Coro-Canta) 
 4:22〜 
2回目のマンボ(Mambo)です
 4:37〜
3回目のコロ-カンタ(Coro-Canta)
1,2回目と違うメロディになっています。
 5:01〜
エンディング

もう1曲みてみましょう。

※元々貼っていた動画がいつの間にやら非公開になっていたので、
別の動画に差し替えそれに合わせ下記の内容も書き換えてます。
(2019/5/11)

まずイントロからのテーマです。
どどーんと仕掛けがあってからのモントゥーノ(Montuno)
3:03〜 
コロ-ソロ(Coro-Solo) コーラスとトランペットのソロで掛け合いがあります。
3:28〜
コロ-カンタ(Coro-Canta)
4:59〜
ピアノソロです。
6:43〜 
Conga Soloです。 
僕は最初知らずに本番でがっつりと大失敗をした覚えがあるのですが…。
ジャズの4バース的なのとは違い、
ドラムやパーカションソロの時にピアノやベース、他のパーカッションもソロの時に休んだりしません。 
トゥンバオし続けて下さい。 
7:36〜 
コンガソロが終わりマンボ(Mambo)になります。
8:12〜
マンボ(Mambo)が終わったり2回目のコロ-カンタ(Coro-Canta)になります。
8:47〜
トランペットソロ
9:57〜 
3回めのコロ-カンタ(Coro-Canta)
10:38〜 
エンディング
その他に出てこなかったものとして、以下のものもモントゥーノセクションででてくるやつです。

Mona(モニャ)

2回目以降のコロ-カンタの後に登場する管楽器のリフをMoña(モニャ)と称します。
モニャは1曲の中に複数現れることも珍しくないですし、即興で演奏したりします。
こちらは2小節ないし4小節単位のフレーズを繰り返して、
多くはマンボに比べて、ハーモニーや構成がシンプルでコード進行もコロ-カンタのものをそのまま用います。
このセクションは曲によってあったり、なかったりですがその場のノリで追加されたり、削られたりということもしばしあります。

マンボとモニャの違いについては僕はこんな認識だったのですが、
確証のある出典が確認できなかったのでなんとなくな感じで…。
最近、会う人みんなに「マンボとモニャってどう違うの?」
と聞いてみていたのですがみんな答えが違いましたwww
正解だれか教えて下さい…。

(2019/5/11追記)
「サルサ・フォーラム」という掲示板的なやつでこんな議論がなされているものがありました。
そこでの"mambos vs monas"というスレッドで後半groovetpt氏が音源事例出して違いを説明しています。
ざっと読んでみたところ大体僕の書いた認識で合っていましたw
Bomba Cubano(ボンバ・クバーノ)
このセクションも曲によってあったり、なかったりその場のノリで追加されたり、削られたりという感じです。
どんな感じかっていうと、4:10〜4:30あたりのやつです。
このBomba Cubanoでのベースの奏法についてはまた記事にしたいと思います。
ベースがかっこいいところです!
という感じで、サルサの基本的な曲構成について書いてみました。
モントゥーノ以降はほぼほぼ同じコード進行で、ずーっと同じこと弾いているなんてのもざらなのですが今どういうセクションにいるのかっていうのは常に意識しておきましょう。
他の音楽に比べるとかなり明確にわかりやすくキュー出しとかもします。
同じことやっているだけにどこだかわからなくなりロストしがちなのです…。
そして、結構その場の雰囲気でモントゥーノ以降の構成を変えたりということもしょっちゅうあるので、周りをよく聴き、注意して演奏しましょう〜。



ABEMA