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ブラジル音楽のベース入門 その4「サンバのベース基礎編」

いよいよブラジル音楽の代表選手。
サンバ(Samba)のベースラインについて書いていきたいと思います。
 そもそもですが、元々のサンバのアンサンブルにベースという楽器は存在しません。
ベースの役割をしているのは、スルド(Surdo)という低音打楽器です。
ということで、今回はスルド(Surudo)系のベースフレイズを中心に書いていきます。
元々の打楽器だけでのアンサンブル"Btucada(バツカーダ)"では、
3つのスルドが使われています。
ベースはスルドに音程を付けているような役割となっています。

1.「基本的なライン」

Samba “Surdo de Purimeira
3つのスルドのうち一番低い音程の"スルド・ヂ・プリメイラ(Surdo de Primeira)"のパートです。
スルド・ヂ・マラカオ(Surdo de Maracaçåo)、マラカナン(Maracanå)、パイ・ヂ・トドス(Pai de Todos)、トリメ・テハ(Treme Terra)、タンボーラ・スルド(Tambor Surdo)等とも呼ばれます。

バツカーダ(Batucada)では中心となる役割の楽器です。
サンバのリズムの中で最も強いアクセントとなる2拍目を担っています。
スルドがアンサンブルの中心となる基本的なパルスを出していく役割となります。
Ex.1 Samba Bass
Ex.1Samba Bass
4分音符で1拍ずつ演奏しています。
1拍目はRootをスタッカートでなるべく小さな音量。
2拍目をテヌートでアクセントを付けて弾く。
(アクセントと書きましたが…音量を出して弾くというよりは重心を置いて演奏するという感覚で僕はやっています)
これが最も基本的なサンバ(Samba)のラインとなります。
2拍目を1拍目より低い音程にした方が容易にグルーヴが出せると思います。
Rootと低い5thを交互に弾くようなのが最もよくあるサンバのベースラインと思います。
動画のような音価を意識してベースを弾いてみましょう。
Ex.2 Samba Bass
これのバリエーションというか、同じなのですが1拍目の音価をほぼ0にして小さな音で少しだけ弾くだけのものもありです。
1拍目の音の長さをコントロールするだけでも色々なバリエーションが付けられます。
Ex.3 Samba Bass
1拍目を完全に休符にしました。
この場合、Rootの音は弾かずに5thの音を弾きましょう。
フロントの奏者がブラジル音楽に不慣れな場合は、
コード感がわからずに戸惑うかもしれませんのでほどほどにw
Ex.4 Samba Bass
1拍目もテヌートで弾くこともあります。
しかし、この音価でサンバのグルーヴを醸し出すのはなかなか難しいのです。
音を伸ばしたテヌートの状態でも、サンバらしく演奏できているのならばかなりサンバのグルーヴを理解&体感できた状態だと思います。
しっかりとパーカッションのグルーヴを感じながらスタッカートで弾いているときと同じようなテイストで弾けるようにしていきましょう!

2.16分音符を付加したパターン

この動画のスルドのパターンを模したベースラインです。
Ex.2-1 全て音程を付けて
スルドスティックで叩いている部分とミュートの部分全て音程を付けて弾いてみています。
このパターンになってもあくまでアクセント・重心は2拍目に置きます。

抽象的なイメージになりますが、1拍目の16分4つ目の音から2拍目にかけて前に進み腰が沈む感覚と、2拍目の16分4つ目の音から次の1拍目へ行くときの腰が浮く感覚を掴みながら弾くと安定させやすいかなーと思います。
Ex.2-2 Sambaのベースよくやられているダメなパターン
ジャズ系やポップスで聞き覚えのある上記のようなパターンでサンバのグルーヴを出すのはなかなか難易度が高いので避けたほうが無難です。
2拍目の音が1拍目より音程が上がっていると、
アクセント/重心、腰の沈む感覚が再現しにくいのです。
最初のRootより低い方の5thのほうがスルドっぽく容易に聴かせられると思います。
Ex.2-3 ミュート(空ピック)を混じえて
今までの付点8分と16分音符からなるベースラインは、
音価を適切に保つのが難しいので、まずは間をミュート(空ピック)で全て弾いて埋めてみましょう。
こうして音価を確かめながら弾いてみると段々つかめてくるかもしれません。
空ピックを弾いているときは、この動画のCaixa(カイシャ)を叩いているような気分でやりましょう!
16分音符4つ叩いているだけですが、ちょっと3連符に訛って聞こえると思うのですがこのイーブンと3連の狭間のいいポイントで演奏していくのがサンバのキモです。
実はラテン音楽のトゥンバオでも同じくなのですが、
アフロ系がルーツの音楽故の部分なんでしょうね。
このあたりはまたじっくり別の記事で書いていきましょう。
という感じで、大雑把にではありますがまずはスルドに模倣したサンバベースの基本的なパターンを紹介してきました。
細かいグルーヴの感じ方やバリエーションも色々今後は紹介していきたいと思います。

ブラジル音楽のベース入門 その3「譜面の表記など」

まずは譜面の表記などについて書いていきます。

拍子の表記について

ブラジル音楽は基本的に2/4拍子で表記します。

前回の記事で紹介した「Latin Bass Book」、「ブラジリアンミュージックワークショップ」は、 4/4拍子でラテン音楽などと同じくin2のフィールで表記しているのですが2/4拍子のフィールが一般的です。
出回っているジャズ系のReal Bookや黒本などで「イパネマの娘」の譜面表記は4/4拍子で下記のようになっています。
イパネマの娘 ジャズの場合
しかし、ブラジル系の譜面では下記のように表記されています。
もちろんJobimの自筆譜でもこのようになっています
2/4拍子での表記
ということで、ブラジル音楽は2拍ごとにグルーヴの単位があるので、やはり2拍子の表記がしっくりきます。
譜面は基本的には2/4拍子で表記することが望ましいです。

リズムパターンの単位

ラテン音楽では1クラーベつまり2小節がリズムパターンの最小単位となりますがブラジル音楽では下記のようになっています。

1小節のパターン
Baião(バイァオン)、Xaxado(シャシャード)、Chorinho(ショリーニョ)など
2小節のパターン
Samba(サンバ)、Bossa Nova(ボサノヴァ)、Frevo(フレーヴォ)、Maracatu(マラカトゥ)など
4小節のパターン
カーニバルのビートでZe Pereira(ゼ・ペレイラ)

ブラジリアン・クラーベ

多くの人が勘違いをしておりますがブラジル音楽には、キューバ音楽の特徴の2-3クラーベ、3-2クラーベといったパターンは用いられません。
ブラジリアン・クラーベという考え方が「サルサガイドブック」などに記載されています。
(Nelson Faria著「Brazillian Guitar Book」ではボサノヴァ・クラーベと書かれています。)
ブラジリアン・クラーベ
これはサンバにおけるタンボリンのパターンの一部を切り取ったものでボサノヴァのドラムのリムショットなどでよく演奏されています。
これをキューバ音楽におけるクラーベと同じように、リズムの軸として解釈してしまうのは大きく誤解があると思います。
このパターンを軸にリズムやハーモニー、メロディーを作るラテン音楽におけるクラーベとは全く違います。
あくまでただのリズムパターンの一つに過ぎません。
ということで、譜面の表記などについてざっと書いていきました。
次からはいよいよサンバのベースパターンなどについて書いていきたいと思います。

ラテンベース入門 その20 「ちょっとややこしい進行の時の対処法」

Cha-cha-cháやAfro 6/8についてやってきましたが、
また通常のトゥンバオについて書いていきたいと思います。

マンボやサルサなどのベースラインを弾いていて、
少し弾きにくいコード進行のパターンがいくつかあります。
これらのケースによくある弾き方をいくつ紹介していきます。

1.Ⅰ△7-V7でのトゥンバオ

Ⅰ-Ⅴ7-Ⅴ7-Ⅰ
ダメなトゥンバオ
1小節ずつⅠ△7からⅤ7へと進行するコード進行の場合。
普通にRoot−↑5th、次のⅤ7のRootというように弾くと上記の譜例のようにⅠ△7での5thとⅤ7でのRootが同じ音で連続して同じ音を弾くことになってしまい不自然なベースラインになります。
そこで下記のように弾くことが多いです。

①3rd or 7thを弾く

連続した音にならないように3rdもしくは7thを使ってベースラインを作ります。

②V7をツーファイブ(Ⅱm7-Ⅴ7)化する

コード進行中のV7を、Ⅱm7-V7に分割して弾きます。
実際の所、①の方法よりも頻繁に用いられています。
1小節ずつⅡ-Ⅴ化

上記の譜面のように1小節ずつでⅡm7-V7とする

毎小節Ⅱ-Ⅴ化

毎小節Ⅱm7−Ⅴ7にする

実際の曲の例として
Buena Vista Social Clubの"El Cuarto de Tula"の
Coro-Cantaでのベースラインをあげてみます。
コード進行は下記のようになります。
最初に上げた譜例のものとは逆で3〜4小節目がトニック、
リピートした1〜2小節目がⅤ7となり通常のトゥンバオの型で弾くとEの音が連続してしまいます。
ということで、この曲ではE7をAm7へのⅡ-Ⅴ7として弾いてます。
マイナーのⅡ-ⅤなのでⅡm7(b5)-V7=Bm7(b5)-E7となります。
El Cuarto de Tula 1:43〜
動画の"El Cuarto de Tula"の1:43〜からのベースラインです。
ほとんど全体を通してベースは1小節ごとのⅡ-Ⅴにして弾いています。

2.1拍ごとでコードがチェンジがあるとき

仮にこんなコード進行でトゥンバオを弾く場合ちょっと対応に困る箇所があります。
3小節目の3,4拍目に1小節ずつのコードチェンジ。
8小節目での1拍ごとに4つのコードとなっている箇所。

2拍ごとでのトゥンバオでしたら、通常のトゥンバオの音型に当てはめてRootを弾けばよいのですが1拍ごとのチェンジだとこれでは対応できません。
この場合下記の2つのパターンで弾くのがよいでしょう。

①シンコペーションせず4分音符で弾く

②8分のシンコペーションで弾く

この2パターンが常套句だと思います。
シンコペーションするかしないかはクラーベとの兼ね合いや、他のコード楽器(ピアノ、ギター、トレスなど)との兼ね合いもありますので意思の疎通が必要かもしれません。
ということで、通常のトゥンバオが弾きにくいコード進行の事例をあげて常套句の弾き方を例示してみました。
他にも色々と弾き方はあると思いますので、色々なラテンの音源を聴いて実際の曲に上手くはまるトゥンバオを研究してみてください。

ブラジル音楽のベース入門 その2「日本で入手できる教則本」

ラテンのBlogと同様にまずは入手が可能な教則本を紹介していきたいと思います。

早速、大変残念なお知らせですが日本で今現在はブラジル音楽のベース専門の教則本の類はありません。
ということで、記事終了…
というわけにもいきませんので、参考になりそうなものを紹介していきます。

Latin Bass Book

ラテンの記事でも紹介した「Latin Bass Book」です。
Oscarはブラジル音楽でも素晴らしい演奏を聴かせてくれるプレイヤーです。
Samba,Patrito Alto,Baião,Choro(Chorinho),Afoxéの各リズムが紹介されています。

ピアノ、ギター、ベース、ドラムスのためのブラジリアン・リズムセクション

Nelson Faria&Clifee Krman著の良本。
ブラジル音楽の主要なリズムといえる、
Samba,Bossa Nova,Paltido Alto,Choro,Baião,Frevo,Marcha-Rancho,Afoxéの各リズムについて1曲ずつ曲を通して解説。
ピアノ、ギター、ベース、ドラムスの各パートについて簡単に解説。
ベースについては、かなり簡単になので基本的な各リズムを知るという程度ですが有意義な教則本だと思います。

ブラジリアンミュージックワークショップ

これもベースについてはそんなに書かれているわけではないのですが、各リズムについて細かく解説がなされていて非常に良本でです。
上記の2つでは触れられていないリズムも沢山書いてあります。
ハーモニー、メロディなどについても触れてあるのでとても参考になります。

ということで、終了です。
残念ながら日本で入手できるものでブラジル音楽のベースについて触れてあるのはこれ位しかありませんw
要するにブラジル音楽のベースについてだけ書いてある教則本で日本で入手できるものはないのです。

ギターやパーカッション向けの教則本は割と充実しているので、
そこから学んでいくのが早いかもしれません。
うーん、困ったものですw

ブラジル音楽のベース入門 その1「ブラジルの様々なリズム」

ブラジル音楽のベースについて書いていく前に。
みなさんが思うブラジル音楽のリズムというとどれくらいの種類のものがあるでしょうか?

あまり縁のない人からすると
Samba(サンバ)
Bossa Nova(ボサ・ノヴァ)
以上でしょうか?

ジャズ系のミュージシャンでも
Paltido Alto(パルチード・アルト)
Baião(バイアォン)
位はちょっとお詳しい方なら知っているかもしれません。

で、何種類あるのか?
どれくらい沢山のリズムがあるのか僕もわかりませんw
もの凄く膨大にあります。

広い国土にいた元々の原住部族、連れてこられたアフリカの奴隷、植民地統治をしていたポルトガル人、その他移民…。
土地も気候も様々で、それはもう沢山の文化が混じっています。
各地に様々な音楽、リズムがあり、今も新たに色々な音楽が誕生し続けているわけですからとても把握しきれませんwww

なんとなーく、サンバ、ボサノヴァくらいのイメージでしかない上に、日本では特にラテンと混じってしまいより一層曖昧なイメージしかないブラジル音楽について少しずつ解説をしていければと思います。

地域ごとのリズムなど


地図に大雑把にまとめてみました。
Samba,Choro,Maxixe,Marcha,Bossa Nova,Axé
Samba-Reggae,Afoxé,Samba de Roda,Capoeira
Frevo,Maracatu,Mangue,Baião
Forró,Coco,Xote,Xaxado
Embolada,Bumba-meu-boi,Carimbó,Lambada
Boi-Bumbã,Catereté,Calango,Caxamba
Congo,Toada,Chula,Boi-de-Mamão,Varerão,Música Sertaneja
などなど。
まだ把握していないものやこれらの派生リズムなども沢山あるはずです。

なかなか情報が少ないものも多いのですが、少しずつ僕も勉強しつつ今後の記事でブラジル音楽のベースについて紹介していきたいと思います。


ブラジル音楽のベース入門 〜導入編

あまりSNSではラテンミュージシャン向けには積極的には拡散していないのですが「ラテンベース入門」の記事がまあまあ好評でしてちょっとアクセス数が増えてきています。
ということで、「ラテンベース入門」と併行してラテンと同様に日本では弾き手の少ないブラジル音楽でのベースについての入門記事を書いていこうかと思います。

ブラジル音楽でのベースについての日本語の情報は少ない

ラテンベースに関しては決定版と言えるような教則本が幾つか日本でも入手が可能なのですが、ブラジル音楽のベースに関する教材はかなり限られます。
『日本語のもの』というと、皆無に等しいと思います。

ラテンベース入門のBlogを始める前と同様に
「サンバ」「ベース」
とか
「ブラジル音楽」「ベース」
とかで色々検索してみましたがジャズ系のコンテンツなどはありましたがラテンと同様に明らかに間違った解釈のものがかなり多く…。
セッションインストラクターなどと名乗る講師のプレイヤーが
「サンバはボサノヴァの倍テンのやつです(`・ω・´)キリッ」
とか言っているのは本当に腹立たしい…w
あと初心者向けコンテンツのサンバ、ボサノヴァベースラインのダメっぷりも目に余るw


とはいえ、日本にはサンバベースの父Luisao Maia氏が晩年在住していました。
日本のミュージシャン達と交流も盛んに行って下さったお陰でか優秀なブラジル音楽のベーシストもたくさんいます。
それに日本ほどボサノヴァやショーロが愛されている国もそうそうないでしょう。
最近はブラジルへ行って学ぶ音楽家や、ブラジルから日本へきているミュージシャンもかなり増えていきます。
そして、在日ブラジル人も各地に沢山いたりしますのでブラジル音楽の土壌はあるはずなのです…。

ということで、ブラジル音楽のベースに関する諸々もこれからはBlogにしていきたいと思います。
ラテンよりも更に緩いペースでの更新になると思いますw


ブラジル音楽のベース入門 記事一覧

ラテンベース入門その19「Afro〜6/8拍子(ハチロク)のベース その2」

前回の記事では、Afro 6/8でのベースラインをいくつか紹介してみました。
この記事では、Afro 6/8のバリエーションをひたすらに紹介してきます。

Afro 6/8のベースライン バリエーション

Afro 6/8 Ex.1

Afro 6/8 Ex.1
Afro 6/8 Ex.1

Afro 6/8 Ex.2

Afro 6/8 Ex.2
Afro 6/8 Ex.2

Afro 6/8 Ex.3

Afro 6/8 Ex3
Afro 6/8 Ex.3

Afro 6/8 Ex.4

Afro 6/8 Ex.4
Afro 6/8 Ex.4

Afro 6/8 Ex.5

Afro 6/8 Ex,5
Afro 6/8 Ex.5

Afro 6/8 Ex.6

Afro 6/8 Ex.6
Afro 6/8 Ex.6

Afro 6/8 Ex.7

Afro 6/8 Ex.7
Afro 6/8 Ex.7

Afro 6/8 Ex.8

Afro 6/8 Ex.8
Afro 6/8 Ex.8

Afro 6/8 Ex.9

Afro 6/8 Ex.9
Afro 6/8 Ex.9

Afro 6/8 Ex.10

Afro 6/8 Ex.10
Afro 6/8 Ex.10

Afro 6/8 Ex.11

Afro 6/8 Ex.11
Afro 6/8 Ex.11

Afro 6/8 Ex.12

Afro 6/8 Ex.12
Afro 6/8 Ex.12

Afro 6/8 Ex.13

Afro 6/8 Ex.13
Afro 6/8 Ex.13

Afro 6/8 Ex.14

Afro 6/8 Ex.14
Afro 6/8 Ex.14

Afro 6/8 Ex.15

Afro 6/8 Ex.15
Afro 6/8 Ex.15

Afro 6/8 Ex.16

Afro 6/8 Ex.16
Afro 6/8 Ex.16

Afro 6/8 Ex.17

Afro 6/8 Ex.17
Afro 6/8 Ex.17
ということで、ひたすらにAfro 6/8のベースラインを紹介してきました。
これをBembe Claveやクリックに合わせて弾けるようにしましょう。
そして、しっかりと下記の2つのパルスを感じながら弾くようにしましょう。


ラテンベース入門 その18 「Afro〜6/8拍子(ハチロク)のベース その1」

前回まで簡単に6/8拍子のクラーベについて書いてきましたが、
今回はラテンの6/8拍子でのベースラインについて解説していきます。


6/8拍子のグルーヴは、
"Afro 6/8"
"Afro-Cuban 6/8"
"Ninango"
などと称します。

今までの解説でも書いてきましたが、Afro6/8をグルーヴさせるのに大切なのは3つ割りのリズムと2つ割りのリズムを同時に感じるということです。

基本のパルスとなるのは下記のEx.1のリズム。
Ex1.


これにEx.2のリズムを刻むと3と2のリズムが合わさった複合的なリズムとなるわけです。

Ex.2(2つとも同じですが表記を変えているだけです。)

上記譜例のEx.2のリズムをベースでそのままひたすらに弾いているのがこちら。
"Afro Blue" by Mongo Santamaria

パルスはEx.1で感じながら弾いてください。
ちょいちょいジョン・コルトレーンの曲と思われているジャズ系の方に遭遇しますが、モンゴ・サンタマリアの曲ですw
イントロ〜テーマのところだけざっと採譜してみました。
アドリブはマイナーブルースです。

PDF:Afro_Blue_bass

気をつけるのはテヌートで弾くことです。
スタッカートになってしまうと違う感じになってしまいます。
僕はよくわからない頃、スタッカートで弾いてしまい何回か睨まれ&怒られた経験がありますよ!
6/8 Afroのベースライン
Ex.1のパルスとEx.2を感じつつ、弾いていれば比較的ベースラインは自由にどのように動いても問題ないです
が、放りっぱなしも良くないと思うのでいくつかベースラインを示していきます。
いずれのフレーズも2小節(1クラーベ)で一つのパターンとなっています。
Afro 6/8 Ex.1

Ex.1-a

Ex.1-b

Ex.1-c

2小節(1クラーベ)のパターンを3つ。
2小節目だけ変化させています。

Afro 6/8 Ex.2

Ex.2-a

Ex.2-b

こちらAfro 6/8 Ex2も2小節(1クラーベ)のパターンで2つ。
2小節目だけ変化させています。

Afro 6/8 Ex.3

Afro 6/8 Ex.4

Afro 6/8 Ex.5

ということで、Afro 6/8でのベースラインをいくつか紹介してみました。
もう少しバリエーションも紹介していきたいと思うので次回へ続きます。



ラテンベース入門 その16 「6/8のクラーベについて その1」

クラーベについては以前の記事で簡単に一通り解説しましたが、この記事からは6/8のクラーベについて解説していきます。
これは6/8のベルのパターンと同じもので、ベンベ・クラーベ(Bembe Calve)とも呼ばれます。

まずは記譜方法や他のクラーベとの関係性について書いていきます。


記譜について
このクラーベは6/8の拍子記号、6/4拍子、12/8拍子、3/4拍子、4/4拍子いずれでも書かれることがあります。

   



6/8拍子のクラーベに合わせながら、様々な拍子記号でパルスに合わせて足を踏む練習をしましょう。
記譜上は違いがありますがいずれも同じリズム&パルスのものです。
 他のクラーベともパルスは共通
4/4拍子、6/8拍子いずれのビートでも同じようにパルスを感じるというのがラテン音楽で最も重要な概念の一つとなります。




上記のクラーベはそれぞれ同じパルスを感じながら演奏していることになります。
ソンクラーべとルンバクラーベのパルスの2分音符と、
6/8クラーベのパルスの付点4分音符は同じ固定されたパルスとなっている訳です。

これを利用して6/8拍子と4/4拍子で行き来するようなアレンジ、フレージングも沢山あります。

6/8Afroのグルーヴで前半は演奏していますが、
3:34で3-2Rumba Claveでのキメをきっかけに4/4拍子へと変化しています。
記譜上は拍子が変化していますが、パルスとテンポは6/8の部分と4/4の部分でもあくまで同じまま演奏しています。
動画の3:13〜4/4になって少しまでのベース譜とパルスを記譜してみました。


PDF:Footprints_3_13〜

このように6/8拍子と4/4拍子で行き来したりすることはしばしあります。
また6/8拍子と4/4拍子がポリリズム的に混在することもよくあります。
ラテン音楽を演奏する上では、6/8拍子と4/4拍子をいつでもスイッチできて、いつでも同時に感じていることがキモとなります。

という感じで簡単に6/8拍子の記譜方法、他のクラーベとの関係性について書いてきました。
この後ももう少し6/8クラーベの成り立ちなどを紹介してから6/8拍子のベースラインについて書いていきたいと思います。
結構テーマが大きい部分なのでどこまでどう書くか悩みますね〜。