ラテンベース 入門「クラーベに左右されないTumbao〜Clave Neutral UDP〜Unanticipated Double-Ponche」

Clave Neutralの4つのバリエーションについて書いていきたいと思います。
これらのバリエーションはコンガのトゥンバオとベースのトゥンバオ関連性によって分類していきます。
Son(ソン)やSalsaなどにおいて、ベースとコンガの密接な結びつきを感じることはグルーヴを感じるために非常に重要な要素となります。

コンガのトゥンバオには沢山のバリエーションがありますが、大きく2つに分けてクラーベの向きによって作られるフレーズとクラーベに左右されないフレーズあります。
今回はClave Neutralなベーストゥンバオについてのフレージングについての考察ですので、
コンガのトゥンバオも同様にClave Neutralとなる1小節でのMarcha(マルチャ)と呼ばれるパターンを紹介します。 

Marcha(マルチャ)のConga Tumbao

Marcha(マルチャ)のConga Tumbao
ベーシストにとって、コンガのパターンの中で重要な打点は3つ。
Slap(スラップ)
Bombo(ボンボ)
Ponche(ポンチェ)
と言われるアクセントです。 

Slap(スラップ)

 Slap(スラップ)は各小節の2拍目に付くアクセントでとても重要な箇所です。 

Bombo(ボンボ)

Bombo(ボンボ)は2拍目の裏のアクセントです。
Bomo(ボンボ)のアクセントはクラーベの3サイドの2つめの音の位置にありますが、2サイドでも出てくるアクセントになります。
コンガのMarcha(マルシャ)に当てはめるとこの部分になります。

Ponche(ポンチェ)

Ponche(ポンチェ)は、4拍目にあたる部分です。
コンガやベースを含む多くのパターンでは各小節のPonche(ポンチェ)…つまり4拍目にアクセントがあります。
Ponche(ポンチェ)はアンサンブル全体で演奏するアクセントであったり、ブレイクする箇所だったりします。
Marcha(マルシャ)のパターンですとこのようになります。
Ponche(ポンチェ)は、ベースがコンガと実際に音が重なる場所となります。 
この記事のシリーズで紹介している4パターン×4バリエーション全てのベースラインは、
Ponche(ポンチェ)のアクセントの一つまたは両方をヒットしています。
今回の記事で説明するバリエーションは、Ponche(ポンチェ)との関係によって定義しています。 

ベースラインとPonche(ポンチェ)の関係性

ここではTresilloのパターンを例示しました。
最初のパターンは前回の記事で紹介した最も基本的なパターンです。
譜例を見ての通り、このベースラインの3番目の音符は、コンガの最初のPonche(ポンチェ)と並んでいます。
4拍目を1つだけ弾くこのパターンを
「Unanticipated-Single-Ponche」または「USP」と呼びます。
そして、このPonche(ポンチェ)の部分を2つの部分で同時にヒットするトゥンバオをDouble–Ponche(ダブル・ポンチェ)と称します。
Double-Ponche(ダブル・ポンチェ)の トゥンバオはコンガと同じリズムを弾くのでタイムの位置を示すのに有用な効果があります。 

これを使った「Unanticipated-Double-Ponche」または「UDP」と呼ぶバリエーションをこの記事では紹介していきます。

4つのパターンでのUnanticipated-Double-Ponche(UDP)

Tresillo,Habanera,Guaracha,BoleroとそれぞれのパターンでのDouble Ponche(ダブル・ポンチェ)を例示していきます。 
ということで、4拍目のPonche(ポンチェ)部分の8分音符を2つ弾くパターンを4つのパターンそれぞれにあてはめます。

Tresillo(UDP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。 
下記の音源でこのトゥンバオを実際に使用した例が聴けます。
Pacho Alonso “Dame Un Chance” 1:16〜
Nino Rivera “Montuno Guajiro”
Cachao “Tres Lindas Cubanas” 3:18〜

Habanera(UDP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。 
下記の音源でこのトゥンバオを実際に使用した例が聴けます。
Jose Fajardo “El Guapetón”
Orquesta Aragon”El Guapetón”

Guaracha(UDP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。
 下記の音源でこのトゥンバオを実際に使用した例が聴けます。
Felix Chappottín “Cuento Nama” 0:44〜
Cheo Marquetti “Sin Caña Y Sin Platanal”
Arcaño y Sus Maravillas “Mulatica Revoltosa” 1:24〜

Bolero(UDP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。 
下記の音源でこのトゥンバオを実際に使用した例が聴けます。
Antonio Arcaño y Sus Maravillas “Pickin’ Chicken” 1:31〜
Orquesta Aragon ”Mario, Nicky y Humberto”2:46〜

というように、Double-Poncheでのバリエーション
「Unanticipated-Double-Ponche(UDP)」
について書いていきました。
残すバリエーションは2つ。
次回の記事では「Unanticipated」ではなく「Anticipated」のバリエーションについて書いていきます。
ABEMA

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